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【生き方図鑑8】「常識外れ」でも客の心を掴む日本酒を開発しつづけ、業界をロックに切り開く5代目社長

公開日: : 人物図鑑

次の人物図鑑は、徳島県三好市阿波池田で「三芳菊酒造」という蔵元を営む5代目社長の馬宮さん。

池田にあるココクロスというコミュニティゲストホテルの開所パーティ(おかげさま鍋パーティ)で初めてお会いしました。
作りたてのお酒をもってきてくれたのですが、その味がまるでワインのように甘く、軽く、私のようにお酒をそんなに飲む訳ではない者にとっても非常に飲みやすくおいしく、ある意味驚きの味でした。

ハローワークに求人情報を提出しに行ったら「求職者の方ですか?」と聞かれる位、見た目に社長感が全くない馬宮さん(すいません!)ですが、やってきた話が面白すぎて思わずその場で「人物図鑑に載せても良いですか?とお願いしてしまいました。

5代目社長として、借金で潰れかけていた蔵元を日本酒界では常識はずれの方法で再生へと導いた馬宮さんの物語です。

mamiyasan

当初は蔵元を継ぐ気はなく、東京で音楽に勤しむ

東京には東京農業大学醸造学科というところがあり、蔵元を継ぎたいという意志のある人はそこに進学するケースが多いのですが、馬宮さんは全く違う大学へ進学。
そしてバンド活動を行っていたそうです。卒業後もバンドだけでは食べていけないため、レコード屋で働きながらバンド活動を続けていたんだとか。

潰されかけている蔵元。母の想いから再生を決意

4代目であるお父様が体調を崩したのをきっかけに徳島県三好へ帰郷。
日本酒業界というのは現在9割が赤字の業界とのことで、三芳菊も御多分に洩れず赤字。土地建物も担保にとられていたんだそう。銀行からも毎週のようにお呼びがかかり、蔵をたたむように説得されていたんだとか。ですが、蔵元で生まれ育ったお母様はどうしても続けていきたいという強い思いがあり、それを聞いていた馬宮さんは再生を決意。
ここからいろんな作戦を考えて実行していくことになります。

日本酒業界の常識を外れた酒造り

日本酒は、こういう風に作らなければならないというルールがたくさんある業界です。でも、馬宮さんは、これは世の中に本当にもとめられている味なのかどうか疑問を感じていました。

お酒が昔から強い方ではないという馬宮さん。そんな人でも飲めるお酒を造りたいと思ったそうなんです。従来の日本酒業界ではどちらかというと、日本酒通の方をうならせるようなお酒作りに力を入れているところが多いそうなんです。でも馬宮さんは、すでに日本酒が好きな人たち向けのお酒ばかり作っていてもお酒を飲む人は増えない。それよりも、日本酒を飲まない人たちが思わず手に取ったり好きになってくれるようなお酒を作りたいと思ったんだとか。

当時は、社長は杜氏を雇って酒造りを任せるのが慣例となっていましたが、馬宮さんは自分自身でもお酒が作れるようになりたいと、杜氏の元について、自身でもお酒作りができるスキルを磨きました。

自分がいいと思える味を信じて都会で飛び込み営業へ

そうして、30歳で父親から社長の座を継ぎ、従来にはない飲み口の味の日本酒を作り上げた馬宮さん。ところが同業者の評判は「日本酒としてレベルが低い」「こんなものは日本酒じゃない」
などと、散々だったそう。

それでも馬宮さんはこういう日本酒がこれから求められるはずだという信念を持ち続け、東京に自ら出向き、200軒以上の酒屋に飛び込み営業をして、試飲してもらうなど、拡散する努力を続けました。

また、日本酒のラベルも、自分で描いたり友人に描いてもらうなどして、コストも抑えながらいいものをつくる工夫をされたんだそうです。

地元では理解されない日々が続き、先代である父親とも「いくら都会に持っていっても地元で受け入れられなければ(蔵元として)やっていけない」などと毎晩のように喧嘩をしていたという馬宮さん。
それでもなんとか続けてこられたのは、メールなどで喜びや応援のメッセージが届くようになってきたからなんだそうです。

また、地域新聞などでも少しずつ活動を取り上げられるようになっていったそうです。

写真 2

▲日本酒をつめる瓶も、昔は日本酒を青い瓶に詰めるというのは全くなかったそうなんですが、
青い方が思わず手に取ってみると言う人もいるんじゃないかと思って使ってみたんだそうです。

バンド活動は趣味で続ける。

自宅を新しく立て直す必要があったときに、ついでに自宅に防音設備のある部屋をつくったという馬宮さん。現在地元のメンバー5人でバンドを組み、いろんなところで演奏活動を行っているそうです。また娘さんと馬宮さんの友人達でのバンドも結成されたんだとか。

そして現在

現在、東京では25軒ほど扱ってくれる店があるそう。いままで日本酒には馴染みがなかったような若い層や、海外の方に特に好評なんだとか。
逆に昔からの日本酒好きには、何か違うと思われるので、現在では、地域では昔ながらの味のお酒を売り、新しい味のお酒は東京などの都会に販売するという形をとっているそうです。

お酒の味に感動して、お手伝いさせて欲しいという若者がやって来たりするようにもなったそうです。伝統的な日本酒の蔵は、あまりよその人に蔵を見せないそうなんです。見せないことで特別感を演出している部分もあるみたいなんですが、馬宮さんは積極的にみてもらうようにしているそう。
それを通じてもっとたくさんの人が日本酒に親しんでくれたらいいなあと思っているそうです。

最近お母様が亡くなられて、この蔵を再生するきっかけとなったのがお母様ということもあり、ショックだったそうなんですが、娘さんが東京農業大学の醸造学科に進学を決めてくれたりして、それがまた嬉しくもあったんだそうです。

▼酒蔵につれていっていただきました。
「今年はこんな米で試してみてるんです、こういう麹をつかってみてるんです」など、いろんな実験をされていて興味深かったです。
手伝ってくれる人も募集中だそうです!

写真 1 写真 2  写真 4


 わらちゃんの感想

全国的な蔵元の数は、10年前と比べると3000軒から900軒に。そして現在でも年50軒ずつくらい減っているそうです。これだけの蔵元がつぶれているなか、信念を貫き逆に業績を伸ばしてしまうなんて、すごいなあと思いました。
また、お酒の仕込みというのは、10月から6月まで2、3時間おきに面倒を見ないといけないというような、大変な面もあるんだそう。さらに、赤字で周りからは低く評価され、そんな中でも、好きな音楽活動もしっかりちゃっかり続けていらっしゃるところに共感を覚えました。
「楽しくやらな」という言葉が印象的でした。

他にも印象的な話はたくさんあったんですが、
「80点じゃなくて0か100がいい」という言葉が特に心に残っています。
80点のレベルで広く浅く気に入ってもらえたとしてもそういうお客さまは、よその店にも移ってしまう可能性も高い。でも、100点で気に入ってくれているお客さんはその後もずっと買い続けてくれる。
ということだそう。だから、100か0でもとても気に入ってくれるお客さんをつかむのがいいんだそうです。

私など、嫌われるのを怖れて、ついつい平均点をねらってしまうところがあったりしますが、それよりもやっぱり自分が信じる道で、自分が思う100点を目指したいなあと改めて思いました。

それから、「一気に広がるよりじわじわ広がる方が長続きする」という言葉も印象に残っています。
テレビにでて一時的にブームが来ても大変だし去るのも早い。それよりも、やっぱり口コミなどでじわじわ広がって行く方が良いと。

本当にそうだなあと思いました。

今も仕込みの時期(10〜6月頃)はお手伝いしてくれる人を受け入れたりもするそうなので、日本酒とかお酒作りとか、そう言った事に興味がある方はぜひ行ってみられてはいかがでしょうか?

人物図鑑詳細データ

種族:馬宮さん
生息方法:三芳菊酒造 5代目社長 あとバンドマン
年代:??

生息場所:徳島県阿波池田
好きな食べ物:??
趣味/特技:??

リンク

三芳菊酒造さんのサイトはこちらから(外部リンク)

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  • 作者(とまと)です

    「わらちゃん」です。
    元々、関西出身で大阪でバリバリ働いていたんですが、そのころから生き方とか色々考えた結果、ナリワイで生きる、好きな場所で生きる、ということがいいんじゃないかと思うようになりました。
    現在は徳島の山奥にある宿に棲み着きながら面白いお話を収集しています。
    またお宿に棲み着きのインタビュアーとして面白い人生の事例を集める「人物図鑑」特集も実施しています。

    詳しいプロフィールは自己紹介ページで


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    聞いていて、自由だな〜とか面白いなあ〜といういきかたをしていると感じた、個人やカップルの事例を取り上げていきます!いきかた図鑑

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